神楽とは神事です
神楽は日本神話に起源があるともいわれる神事です。
神様を迎え、その前で行われる鎮魂・五穀豊穣・厄災の払拭、豊作への御礼のための歌舞を「神楽」と呼ぶようになったといわれています。
日本各地の風土や文化を背景にさまざまな地域に伝承され、その土地の氏神様に奉納される神事として執り行われてきました。
広島県は日本有数の神楽どころ。
広島県は日本でも有数の神楽が盛んな地域です。大きく5つの種類に分類される神楽が、数多くの神楽団によって継承されています。
広島の神楽では地域の住民が神事的要素を大切に受け継ぎながら、一方でエンターテイメント性の高い神楽も創造しています。
現在では神社でのお祭りで奉納されるほかにも催事や祝い事に欠かせないものとして、また、県内各地で大会や公演も盛んに行われており、広島の誇る伝統芸能として親しまれ、大切にされています。
是非、広島にお越しいただき、豪華絢爛で迫力満点のひろしま神楽をご覧ください。
広島県内の神楽
広島県は神楽が盛んな地域です。県内には200をこえる神楽団が活動しているといわれ、島根県や宮崎県にならんで全国有数の神楽どころとして知られています。
神楽は、県内の各地域で何年にもわたって育まれてきた文化です。人から人へと舞い継がれてきた神楽。海、山、川の豊かな自然の中に住んでいた先人達が、私たちに残してくれた目に見える贈り物といえます。
広島県の神楽は、地域の特色ごとに「安芸十二神祇」、「芸北神楽」、「芸予諸島の神楽」、「備後神楽」、「比婆荒神神楽」の5種類に分類できると考えられています。
芸北神楽 -げいほくかぐら-
広島の神楽を全国へアピールしてきた神楽です。江戸時代の終わりごろに伝わった島根県石見地方の神楽が、芸北地方で独特の神楽として発展したもので、広島県の神楽としては最も新しいものです。新舞と旧舞を取り入れて活発な活動を展開しています。華やかな衣装や大きな面による演出が特徴です。
安芸十二神祇 -あきじゅうにじんぎ-
広島市、廿日市市、大竹市など瀬戸内海沿岸部で行われている神楽で、毎年秋祭りの前夜祭に十二の舞を奉納することから十二神祇と呼ばれています。安芸十二神祇は、芸北地域にあった古い神楽が、江戸時代の終わりごろから明治にかけてこの地域に伝えられ爆発的に広まったもので、将軍舞や荒平舞(あらひらまい)など全国でも珍しい貴重な神楽を今に伝えています。
芸予諸島の神楽 -げいよしょとうのかぐら-
瀬戸内海の島々とその沿岸部で密かに行われている神楽です。しまなみ海道周辺から西へ、呉市にまで広がり分布しています。知名度は低いですが、広島県の無形民俗文化財に指定されるなど学術的に高く評価されている神楽もあります。
比婆荒神神楽 -ひばこうじんかぐら-
旧比婆郡内とその周辺の一部地域で行われています。岡山県の備中神楽(びっちゅうかぐら)の影響を受けていますが、非常に古い伝統を残す広島県独自の神楽です。国の重要無形民俗文化財の指定を受けており、神がかりの古式を伝えていることで研究者の間に良く知られ、全国的に大変有名になった神楽です。
備後神楽 -びんごかぐら-
比婆荒神神楽の地域を除く備後地方と安芸の一部にまたがる広い地域で行われています。五行祭(ごぎょうさい)といわれる歌や語りを楽しむ神楽や、古い形の能舞を多く残しています。古くは修験者の流れを汲む女性の神子(みこ)と男性の法者(ほうじゃ)の太夫が組になって行っていました。